学生コラム

災害の恐ろしさを伝えていくことは、

以前、私は防災絵本についてコラムを書いた。災害が起きた時にどう行動すべきなのか、普段から準備しとくものについてなど、こどもにも親にもわかりやすく考えさせることができるものである。

今回紹介したいのは、いつか起きる災害に対しての“予防”としてだけの絵本ではなく、実際に起きた災害の恐ろしさ、悲しみを“伝える”ための絵本についてだ。

2011年3月11日に起きた東日本大震災では、1万人を超える死者と、いまだに行方不明のままで見つかってないひとが数多くいる。この恐ろしい経験を忘れないために絵本にして後世に伝えようとする人たちがいる。

実際に家族や大切な人を亡くした悲しみ、あの日何が起こったのかを絵本にまとめて、絵本を寄付したり、読み聞かせを行ったりしている。実際にその絵本を読んだ子供たちは「とても怖かった」「地震がきたらすぐ逃げなきゃ」などの感想を述べていた。

そして子供たちだけではなく、一緒に絵本を読んだ大人たちも震災の恐怖やこれからの生活で気をつけることなどを考えさせられたという。絵本の作者は「これからどんどん震災のことは忘れられていくと思う。風化していくことは仕方ないけどこのような絵本があれば、震災のことを伝えていくことが、思い出してもらうことができる」と言っていた。

ストリートウォッチングの事前授業では、津波で町が流されていくところを、子供たちは真剣に見ていた。授業を受けた子供たちは当時7歳ごろで、あまり鮮明に覚えていないかもしれない。

今、宮崎に住んでいる人の多くは大きな災害を体験したことはなく、災害の恐ろしさを知らない子供たちも多くいるだろう。読んだ人が震災の恐ろしさや悲しみを感じることで、災害に対する意識も向上すると思う。災害の恐ろしさを伝えていくことは、これから起こるかもしれない災害の予防にもつながっていくのではないだろうか。